日本政府は2日午前、貿易管理上の優遇措置を受けられる「ホワイト国」のリストから、韓国を除外する政令改正を閣議決定した。これにより、日韓の激しい対立は、いっそう深刻な事態になる。
政令は7日に公布され、28日に施行される。韓国には、新たな輸出規制が課せられることとなる。
日本側は今回の決定について、韓国の輸出管理制度が不十分で、安全保障上の懸念があるからだと説明している。
韓国大統領府の高旼廷(コ・ミンチョン)報道官は、予想通りの決定にすぐさま反応し、「政府は、日本の不当な決定に厳格に対処する」と述べた。
韓国はこれまで、日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の見直しをちらつかせ、ホワイト国からの除外は日韓関係に「深刻な影響」を与えるだろうと警告していた。
この貿易紛争が悪化した背景には、第2次世界大戦中の日本企業による韓国人徴用工問題がある。
■「ホワイト国」除外の影響
現在、ホワイト国に指定されているのは、ドイツやイギリス、アメリカなど27カ国。日本がホワイト国の指定を取り消すのは、今回の韓国が初めて。
今月28日に韓国がホワイト国から除外されると、日本の輸出業者は今後、韓国に輸出する様々な製品について、通関手続きを申請しなければならなくなる。
日本政府は先に、半導体やディスプレイ、メモリーチップ製造に不可欠な工業製品3品目について、韓国向け輸出の優遇措置を解除している。
韓国では、この輸出管理強化が、失速しつつある韓国経済に打撃となりかねないと懸念が出ている。
半導体製造は韓国の主要産業。情報調査会社のIHSマークイットによると、昨年の世界の半導体市場シェアの約6割を、韓国の大手半導体メーカーのサムスン電子や、SKハイニックスが占めている。
輸出管理の強化は、国際的サプライチェーンへの脅威になりうるとして、電子産業にも動揺が広がっている。
■対立のきっかけは
韓国が1910年から、日本が敗戦する1945年までの間、日本の統治下にあったことも含め、日韓の間には複雑な歴史がある。
昨年11月、韓国大法院(最高裁判所に相当)は三菱重工業に、第2次世界大戦中に同社の軍需工場で労働を強制された韓国人の元徴用工らに対する賠償支払いを命じる判決を下した。
この判決には日本国内から反発の声が上がり、長年にわたる両国の緊張関係の悪化につながった。
日本政府は、1910年から1945年まで続いた日本による朝鮮半島支配時代の請求権問題は、1965年に結ばれた日韓請求権協定により、完全かつ最終的に解決されたと主張している。
訴訟対象となった三菱重工は、大法院の決定には応じない方針だと報じられている。日本製鉄(旧新日鉄住金)と不二越の韓国内資産については、先月23日、大田地方裁判所が売却申請を受理した。
(英語記事 Japan strikes South Korea off trusted export list)
2019-08-02 06:50:00Z
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190802-49201820-bbc-int
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