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Tuesday, March 31, 2020

【「原発不明がん」と闘う】なぜ最初に発生した臓器が分からないのか 専門医「原発がんが免疫細胞に処理されたという考え方も」 - ZAKZAK

 □がん研有明病院化学療法部・総合腫瘍科・ゲノム診療部 高橋俊二部長

 首や脇の下のリンパ節などの転移がんと診断されても、どこの臓器から発症したのかわからない「原発不明がん」。のどや肺、消化器などの検査をしても、臓器にがんが見つからず、患者にとってはもどかしい時間が過ぎてゆく。

 原発不明がんは、全がん患者の1~5%を占めると推定され、年齢が高くなるにつれ発症リスクも高くなる。約8割は予後不良で効果的な治療法に乏しい。では、なぜ最初に発生した臓器(原発)が分からないのか。

 「肉眼では見えないほど小さくなって見つからないのか、転移を起こした後に消えてしまったのか。理由がよくわかっていません」

 こう話すのは、がん研有明病院化学療法部・総合腫瘍科・ゲノム診療部の高橋俊二部長。長年、原発不明がんの診断・治療・研究に携わり、クラウドファンディング(インターネット経由の資金調達法)で、現在、原発不明がんの研究費を募っている。

 「海外の論文によれば、原発の臓器では大きくなれない腫瘍がある可能性が報告されています」

 がんは最初に生まれた臓器で、栄養分などを受け取って大きくなるため、新しい血管(新生血管)を作る。ところが、新生血管を上手く作れないがんもあるそうだ。結果として栄養分を得られないがんは、その臓器では生き延びられない。ただし、転移することはできるため、血液が豊富なリンパ節などに流れ着いてがんが大きくなる。すると、転移したリンパ節のがんは見つかるけれども、原発がんは見つからないといったことが起こりえる。が、これはまだ確実な理由とはいえない。

 「一方で、原発がんが免疫細胞に処理されたという考え方もあります」

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