【モスクワ＝工藤武人】ロシアの反政権運動指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が昨年８月、毒物で襲撃された事件で、ナワリヌイ氏を最初に治療した露西シベリア・オムスクの救急病院幹部、セルゲイ・マクシミシン副医長（５５）が急死した。「不審死」の可能性も指摘されている。
救急病院が４日、マクシミシン氏の急死を発表した際、死因や死亡日などの詳細に言及しなかった。オムスク保健当局の報道官は露有力紙コメルサントの取材に対し、死因は「心臓発作だった」と述べている。
ナワリヌイ氏は昨年８月２０日、露国内線の航空機に搭乗中、意識不明の重体に陥り、オムスクの救急病院に搬送された。救急病院側は翌２１日、当初示していた「毒物中毒」が原因との見方を翻し、「代謝異常による血糖値の急降下が原因」との見解に転じていた。
ナワリヌイ氏の側近は米ＣＮＮに対し、「マクシミシン氏は誰よりもナワリヌイ氏の容体について詳しかった。事件だった可能性を排除しない」と語った。
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