自身が運転する車が浸水してしまったら、まず何をするだろうか。 「ハンマーやヘッドレストで窓を割る」「水圧を均等にするために、あえて車内に水が浸るのを待つ」──サバイバルのプロはいずれの方法も実現性が低いと話す。 【画像】水没した車からの脱出ルール「SWOC」とは 米紙「ニューヨーク・タイムズ」が、沈みゆく車の中で生き残るための「鉄則」を解説する。
なぜ人は浸水した道路に入ってしまうのか
2021年9月、ハリケーン「アイダ」による豪雨がアメリカ北東部を襲い、急激な増水で車が流され、閉じ込められた人々が溺れる事故が相次いだ。 ハリケーンの爪痕が残るいま、救急隊員や防災対策専門家は、災害時に安全を確保する方法を学ぶよう推奨している。 一番重要な教訓は「浸水した道路に車で進入しない」ことだ。小さなセダンから大きなトラックまで、どんな車でもわずか30~70cmほどの水で流されてしまうからだ。水難救助にあたる軍人や救急隊員を訓練するマイケル・バーナは「多くの人々が道の向こう側にたどり着けると思い込み、浸水した道路に入っていってしまう」と語る。 「危険だと気づいたときには、もう遅いのです」 しかし、多くのドライバーは浸水した道の危険性を知らない。マニトバ大学(カナダ)のゴードン・ギーズブレヒト教授は、過酷な環境下で人間がどのように反応するのかを研究している。アメリカとカナダにおいて、車が激流に飲み込まれて、あるいは浸水した道で身動きがとれなくなって、車内で溺死した犠牲者は年間約350~400人ほどに上ると、ギーズブレヒトは推測する。 水圧のせいで、あっという間に車内からの脱出は不可能になってしまう。できる限り早く脱出するようにと、ギーズブレヒトは忠告する。流されて横転した車からの脱出もほとんど不可能に近い。 「車が水の中で動かなくなったら、すぐに脱出して車の屋根に上る。これが重要なことです」
脱出時の鉄則「SWOC」
救助のプロたちが推奨するのは、「SWOC」の順序で行動することだ。 S: Seat belt(シートベルトを外す) W: Windows(窓を開ける) O: Out(外に出る) C: Children first(子供を優先に) 救助隊に電話したり、ドアを開けようとしたりすることを最優先事項にしてはいけない。車にかかる水圧で、そうした行動がとれなくなるからだとギーズブレヒトは言う。 「私たちは強いストレスに晒されると、頭が回らなくなります。ストレス下で人は、直観やどこかで聞いた知識に頼ろうとします。たとえば『車内と車外の水圧を均等にしてドアを開けられるように、車内に水がいっぱいになるまであえて待て』といったアドバイスなどがそうです。 ところが問題なのは、そのころには私たちはすでに死んでしまっているということです」
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