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Wednesday, January 29, 2020

社説 国内で人人感染 拡大防ぐ体制と備えを - 信濃毎日新聞

 奈良県在住の60代男性が新型コロナウイルスに感染していると確認された。

 最初に感染者が出た中国・武漢に滞在歴はなく、運転手として今月2回、武漢からの団体客を乗せてツアーバスを運行した。バス内で感染した可能性が高い。

 国内で人から人へ感染したとみられる初の事例だ。拡大を防ぐための体制づくりを進めてほしい。これを機に、私たち一人一人も手洗いやうがいを徹底したい。

 日本政府は、新型コロナウイルスによる肺炎を、感染症法の「指定感染症」にした。2月7日から必要に応じて指定医療機関への入院といった措置が取られる。

 現在は、医師に対し、発熱とせきなどの症状がみられる患者で、2週間以内に武漢を訪れたか、渡航歴があり同じ症状の発症者と接触した人の報告を求めている。

 男性はこの基準に当てはまらない。感染者の速やかな把握には報告対象を広げる必要がある。

 インフルエンザのように、学校や病院で集団感染が起きる事態も想定しなければいけない。

 どの段階でどんな対応をするのか。政府は明確な手順を示し、自治体や地域の医療機関も混乱しないよう備えておくべきだ。

 感染者は世界で6千人を超え、中国では2002〜03年に大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)を上回った。死亡者は中国で130人以上を数える。

 中国政府は、発熱やせきの症状がなくても感染している事例があり、潜伏期間中に他人に感染する可能性も指摘する。

 専門家は、致死率が約10%だったSARSに比べて重症化する傾向は低いとみている。ただ、治療法は確立されていない。高齢者や持病がある人たちへの感染は特に気をつけたい。

 封鎖された武漢からは、病院の患者受け入れが追いついていない様子が伝わる。住民の生活がどうなっているかは、詳細に把握できない状況だ。

 日本政府は、希望する武漢滞在の邦人をチャーター機で帰国させる対応を始めた。

 帰国した第1陣には不安や体調不良を抱える人がいた。十分な治療とケアが要る。残された邦人の帰国も早期に実現したい。

 感染症の広がりはしばしば、デマの流布や社会の偏見、差別を生む。今回もインターネット上で不安をあおるデマが流れている。

 日中両政府には速やかな情報提供を求める。私たちも正しく知り、落ち着いて対処したい。

(1月30日)

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January 30, 2020 at 07:22AM
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