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Tuesday, January 28, 2020

新型コロナウイルスについて医学的にわかっていること - Newsweekjapan

<中国の感染者と死者は増える一方。新型コロナウイルスの特性を理解せずに自ら傷を広げている>

コロナウイルスは、20世紀まではヒトや動物に感染しても一般的な風邪の症状を引き起こす程度で、厄介ではあったが悪質なウイルスではなかった。だが21世紀に入ってからは、感染者を死に至らしめる可能性のある新型コロナウイルスが既に3回出現し、パンデミック(世界的大流行)の危機を引き起こしている。最初は2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)、次が2012年のMERS(中東呼吸器症候群)、そして2019年12月から中国・湖北省の武漢市を中心に広まっている新型コロナウイルスだ。同ウイルスは1月27日までに中国国内だけで少なくとも4515人の感染者と106人の死者を出しており、今後もその数は増える見通しだ。

感染の拡大を封じ込めるには公衆衛生と医療の両面からの対処が必要で、そのためにはその臨床的な特徴を明確に把握する必要がある。

だがこれまでに中国から入ってきている情報は断片的なものにすぎず、しかも同ウイルスが(比較的軽いものから命に関わるものまで)さまざまなレベルの肺炎を引き起こすという「中程度から最悪の結果」しか分かっていない。1月24日には医学雑誌ランセットに2つの研究報告が発表された(武漢で最初に入院した感染者41人と、そのうちの一家6人の感染状況に関する報告)が、そこにはウイルスに対処する上でのヒントと同時に懸念も示されている。

感染源は本当に野生動物なのか

公式発表では、新型コロナウイルスの発生源は、武漢市の海鮮市場で売られていた野生動物だとされている。自然界で接触することのない動物同士が狭い空間に集められ、異種間の感染によって病原体が突然変異を起こした可能性があるというのが当局の説明だ。

だが12月1日と2日に確認された最初の感染者3人はこの市場を訪れていないし、研究対象となった41人のうちほかの11人も、同様に市場との接触はなかった。ウイルスは、かなり早い段階で進化を始めていたのだ。似たような肺感染症に埋もれて検知されない間にウイルスは感染力を増し、ヒトからヒトへと広まっていった。SARSの時と同様に、新型コロナウイルスもまた徐々に進化を遂げて毒性や感染力が高まっていく可能性がある。

コロナウイルスは直径わずか125ナノメートルだがほかのウイルスに比べれば大きく、大気中に長時間とどまったり数フィート以上先まで移動したりすることはできない。インフルエンザと同じように直接・間接の接触で感染を起こす。直接的な感染とは、たとえば友人や家族とキスを交わした際に内粘膜から感染するケース。間接的な感染とは、感染者の咳やくしゃみなどの飛沫と一緒にウイルスが放出され、それに接触することで感染するケースだ。

<参考記事>中国が新型ウイルスに敗北する恐怖
<参考記事>新型コロナウイルス、感染状況まとめ

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