経営危機に陥っているサガン鳥栖は、15日午前10時から佐賀・鳥栖市の北部グラウンドで全体練習を再開した。選手全員が健康に問題なく、参加した。

政府の緊急事態宣言の一部解除から一夜明け、J1の18クラブで最初に1カ月半ぶりとなる一般非公開で再始動した。コロナ禍、クラブハウス利用禁止で「3密」を避けるなど、感染防止策を徹底して行った。

ただ、いまだ新型コロナウイルス感染拡大の終息は、見通しが立っていない。選手全員がPCR検査や抗体検査を受け、練習に臨んだわけではない。“見切り発車”に、クラブとしては、一部で批判の声があることも承知している。

だが竹原稔社長(59)は、再開に当たっての前日の記者会見で「私たちの中では、ベストのタイミングを選んだと思っている。選手にもそれを理解していただいたと思う」と言い、世間の理解を求めていた。

19年度決算報告で20億円超の赤字を計上した上、Jリーグ再開も未定。険しい現状の中、勇気ある一歩を踏み出した。【菊川光一】