
戦後になって調査・研究が行われ、次々に明らかになった大日本帝国・陸海軍の内幕。陸軍、海軍ともに「作戦系」と「情報系」の参謀本部の間に壁があり、作戦系では情報が軽視されていたこともその1つである。 大和ミュージアム館長の戸高一成氏と、『独ソ戦』『「砂漠の狐」ロンメル』などの著書がある現代史家の大木毅氏は、旧日本軍の将校や下士官兵など歴史の当事者に会って、体験談や所見を直接聞いてきた。その2人が対談し、旧日本軍の秘話、組織の実態を初公開。『帝国軍人 公文書、私文書、オーラルヒストリーからみる』(戸高一成・大木毅著、角川新書)から一部を抜粋・再編集してお届けする。(JBpress) ■ 陸軍は一枚岩ではなかった 大木 私が最初にかかわった『歴史と人物』(中央公論社)という雑誌では、「参謀本部と太平洋戦争」という特集を組みました。 参謀本部には、作戦課や編制課など、いくつも部課があります。その各課に在籍し、実際にそこで仕事をした元参謀に手記を書いてもらおうという企画です。 このような特集を編むなかで思ったのは、陸軍は一枚岩ではない、ということです。一方、海軍は、良かれ悪しかれ世帯が小さい分、一枚岩だと思います。
戸高 確かにそうです。海軍は本当に所帯が小さい。 大木 海軍の誰かが「陸軍はヤマタノオロチだ」と言った、という話があります。陸軍は世帯が大きいこともあり、一枚岩などではない、ということです。派閥も多い。 とくに私が一番感じたのは、服部卓四郎や辻政信といった作戦系の人と情報系の人は、同じ陸軍参謀といっても肌合いがまったく違う、ということです。 「軍人は軍事官僚でもある。だから、作戦系の人は基本的に陸海を問わず、自分のミスを公の場では認めないのだな」と思いました。いざ、公の場になると自分の心もメイキングしてしまうし、間違いを認めない。 戸高 官僚というのは、まさにその通りです。 大木 参謀将校は、今でいえば国家公務員試験を一番で受かり、財務省入りして「このまま次官までいくぞ!」という勢いの人たちです。間違いを認めないことが習い性になっている。だから、この人たちの話をうかつに鵜呑みにすると大変なことになるな、と思いました。 ■ 林三郎は作戦課に恨み骨髄だった 大木 情報系の人は、また肌合いが違います。林三郎さんは情報将校で、参謀本部ロシア課で対ソ情報戦に携わっていた人です。『共産主義的人間』などの著作で知られる評論家、林達夫の弟でもあり、終戦時の阿南惟幾陸軍大臣の副官を務めた。聞き手が半藤一利さんで、横山さんと私が横に控える形で話を聞きました。 (林三郎:1904~98年。陸軍大佐。参謀本部ロシア課長、同じ編制動員課長、陸軍大臣秘書官等を歴任)
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July 17, 2020 at 04:02AM
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旧日本軍の実態、“情報”を軽んじていたのは誰だ?(JBpress) - Yahoo!ニュース
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