北海道で新型コロナウイルスの感染者数が急増している。道では独自の警戒度を「2」から「3」に引き上げ、札幌市の繁華街・ススキノ地区などに営業時間短縮を要請する方針だが、独ベルンハルト・ノホト熱帯医学研究所研究員で、北海道大学出身の村中璃子氏は、「ススキノ限定の部分的ロックダウンをしてもよいのではないか」と提言する。
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道内の6日の新規感染者は115人と、過去最多となった5日の119人に続く高水準だ。
5日に77人の感染が報告された札幌市は市内の高校と医療機関でクラスター(感染者集団)が発生。これまでに繁華街・ススキノでもクラスターが散発している。
ドイツ在住の村中氏は、約184万人の北西部の都市ハンブルクと人口約197万人の札幌市を比較し、「ハンブルクの10月初頭の感染者より現在の札幌市の感染者数が多い」と語る。
独ロベルト・コッホ研究所の集計によると、ハンブルク州での新規感染者は10月1日発表で59人だったが、同31日には410人に激増した。
日本では「Go To トラベル」を実施中だが、村中氏は「欧州でも6月から8月の行楽シーズンに旅行者が増えたが、その後、当初懸念されていたようには感染拡大しなかった」として、人の移動が感染者を増やしたとの見方には否定的だ。
村中氏が指摘するのは気候の影響だ。「屋内で過ごす時間が増えることが感染の一因になっている。北海道は二重窓など気密性の高い住宅が多く、ドイツも建物が冬向きにできており、換気がしづらい」
北海道の鈴木直道知事は、今月7日にも警戒度を引き上げ、ススキノ地区の酒類を提供する飲食店などへの時短営業要請も決定する見通しだ。
一方、ドイツでは2日から飲食店などの営業を禁じる部分的なロックダウンを始めた。村中氏はこう強調した。
「クラスターが発生しているのは、家や飲食店などの場所を問わず、人が密に集まって交流する機会。全国一律に飲食店などを閉じることについては批判も起きている。札幌市では市中感染がススキノから広がっていることに着目し、ススキノの飲食店だけを閉じるなど地域限定の部分的ロックダウンを検討してはどうか。火が小さいうちに水をかけることが重要だ」
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