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Sunday, February 28, 2021

【ゴールデングローブ賞2021】3つの問題点が浮上。人種差別と接待疑惑、授賞式はどうなる? - ハフポスト日本版

bantengkabar.blogspot.com

Photo by Frazer Harrison/Getty Images

ゴールデングローブ賞

日本時間3月1日に授賞式が行われる第78回ゴールデン・グローブ賞

アメリカで最も栄誉ある映画賞、アカデミー賞の前哨戦として位置付けられている、映画・TVドラマを対象とした歴史ある賞だが、開催を目前にいくつかの問題が浮上している。

1.選考メンバーに黒人がいない。

2.ノミネートの影に手厚い接待疑惑が浮上。

3.英語メインではない映画は「アメリカ映画」ではないのか?

映画監督や俳優らも抗議し、騒動になっているこれらにはどんな問題があるのか解説する。

黒人会員がゼロ。#TimesUpGlobes運動が起こる

ゴールデングローブ賞を主催するのは、「ハリウッド外国人記者協会(HFPA)」。HFPAは、ノミネーション及び受賞者・作品を決定する役割も担っているが、会員数は2021年2月時点で87人。アカデミー賞を選考する映画芸術科学アカデミーのメンバーが約1万人であることに比べると、かなり少ない。

ロサンゼルスタイムズは、その87人の中に黒人会員が一人もいないことを指摘。その後多くのメディアがその事実を報じている。

「白人男性優位」と長年指摘されているハリウッドの中で、権威ある映画賞の会員に人種的な偏りがあることは受賞結果にも影響が出ると考えられ、問題視されている。

これには、映画監督や俳優らも抗議の意を示している。『ボクらを見る目』など黒人差別を問題にした作品を撮るエイヴァ・デュヴァーネイ監督や、ノミネートされている俳優のヴィオラ・デイヴィスなど多くの関係者がSNSなどで、HFPAに変化を求めるメッセージを発信。「#TimesUpGlobes」というハッシュタグ運動も起こっている。

批判を受け止め、ゴールデングローブ賞は声明を発表。「黒人会員に加え、他の過小評価されている背景を持つ会員も参加する必要があることは理解しており、これらの目標をできるだけ早く達成するため、直ちに取り組みます」とコメントした。

『エミリー、パリへ行く』で接待疑惑

ゴールデングローブ賞にノミネートされた、Netflixで配信されているリリー・コリンズ主演のドラマ『エミリー、パリへ行く』

NETFLIX

『エミリー、パリへ行く』

ロサンゼルスタイムズは、HFPAのメンバー約30人が、パリにある『エミリー、パリへ行く』のセットを訪れ、制作会社から手厚い待遇を受けていたと報じた。

HFPAの会員は、1プロジェクトにつき、125ドル(約1万3000円)以上の贈り物を受け取ることを禁止されている。しかし、パリを訪れた30人は、2019年に、1泊料金が1400ドル(約14万7000円)以上もする5つ星ホテルに2泊し、「王様や女王のように扱われた」という。ホテル代を払ったのは、当時制作を担当していたパラマウントネットワークだと報じられている。

主催者で選考委員でもあるHFPAが、制作側から接待とも受け取られるこのような扱いを受けていたことで、賞の公平性について疑問を投げかける声が多数あがっている。

英語メインではない映画は「アメリカ映画」ではないのか?

2021年の映画賞で注目されているのが映画『ミナリ』だ。

本作は、アカデミー賞常連の映画会社A24と、ブラッド・ピット率いるプランBが制作したアメリカの作品。韓国にルーツを持つリー・アイザック・チョン監督が手がけ、1980年代に韓国からアメリカに移民した一家を描いている。

(c)2020 A24 DISTRIBUTION, LLC All Rights Reserved.

『ミナリ』(日本では3月19日(金)全国ロードショー予定)

ゴールデングローブ賞では、本作は主要部門の作品賞ではなく、「外国語映画賞」でノミネートされた。ゴールデングローブ賞では、作品賞の条件として「半分以上が英語」であることが求められる。『ミナリ』は、セリフの多くは韓国語だという理由で、「外国語映画賞」でノミネートされた。

しかし、アメリカの監督・会社が制作し、韓国からの移民が主人公の映画を「外国語映画」だとする見方には、多くの批判があがっている。

2020年のゴールデングローブ賞で、最新作『フェアウェル』が『ミナリ』と同じく作品賞からは外された、中国系アメリカ人のルル・ワン監督もTwitterで抗議の意を示した。

「『ミナリ』ほどアメリカ映画らしいアメリカ映画を、私は今年見たことがない。この映画はアメリカン・ドリームに期待する移民の家族の物語を描いている」と作品を称賛。その上で、「私たちは、何がアメリカ作品だということを、英語の使用だけで定義する古いルールを変える必要がある」と主張した。

授賞式はどうなる?

授賞式を目前に、多くの問題が明らかになったゴールデングローブ賞。

映画賞の中では、アカデミー賞に続いて豪華な授賞式が行われるゴールデングローブ賞は、受賞者のスピーチも大きな話題になる。参加する著名人らはこの状況を受けてどんな発言をするのかにも、注目が集まっている。

授賞式は、2021年は新型コロナの影響を受け、ロサンゼルスとニューヨークの2会場に分けて開催される。プレゼンターとしてホアキン・フェニックス、レネー・ゼルウィガー、シンシア・エリヴォ、オークワフィナらが登場。ノミネートされた人々はリモートで参加する。

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