「カリブル」の発射
Denis Abramov/Sputnikこれらの船は、500キロメートル離れた海上の標的を、どんな防空システムでも迎撃できない極超音速ミサイルで攻撃できるようになる。
極超音速ミサイル「ツィルコン」を標準装備する最初の船は22350計画フリゲート艦「アドミラル・ゴロフコ」だ。ロシアのメディアが7月半ばに報じた。
「[「ツィルコン」を]初めて標準装備する船はフリゲート艦『アドミラル・ゴロフコ』になる予定だ」と情報提供者は話す。
「アドミラル・ゴロフコ」は22350計画の3番目のフリゲート艦で、2022年春に海上試験が実施されることになっている。同計画のフリゲート艦のうち、現在「アドミラル・ゴルシコフ」と「アドミラル・カサトノフ」の2隻が北方艦隊に実戦配備されている。これらの船の主要兵器はカリブルNKミサイルだ。「アドミラル・ゴルシコフ」は極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の試験にも参加している。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領も、最高速度マッハ9、最大射程1000キロメートルの極超音速ミサイル「ツィルコン」が近い将来実戦配備されことを言明している。
何隻の船に装備されるか
フリゲート艦『アドミラル・ゴロフコ』
Igor Mikhalev/Sputnikロシアは、それぞれ巡航ミサイル「カリブル」「オーニクス」「ツィルコン」を最大48発搭載できる22350M計画の現代的なフリゲート艦の12隻を造る予定だ。ロシアのメディアが国防産業関係者の話として報じた。
「同計画の主要な船は2027年に海軍に納入される予定だ」と造船業関係者は語る。
軍の計画では、排水量7000トンの船それぞれに、3種類の国産最新ミサイル「カリブル」「オーニクス」「ツィルコン」に対応した発射装置が搭載されることになっている。
「こうしたフリゲート艦は計12隻造られる予定で、うち11隻は新しい国家軍備計画の枠組みで発注元に納入されるだろう」と情報提供者は言う。
さらに、自らを守る「傘」として、船は最大100発の対空ミサイル「ポリメント・レドゥート」や対潜兵器、魚雷も装備する予定だ。
先述のように、22350計画の最初の船「アドミラル・ゴルシコフ」は現在すでに北方艦隊で運用されている。
フリゲート艦「アドミラル・ゴルシコフ」
Yuri Smityuk/TASS「これは良い船で、技師らは今この船を現代化する方法を提案している。まずは搭載兵器で、ミサイルの数が48発に増やされ、以後同シリーズの船には統一的かつ普遍的な自動発射制御システムが搭載されることになる」とイズベスチヤ紙の元軍事評論家ドミトリー・サフォノフ氏はロシア・ビヨンドに語る。
同氏によれば、現在の22350計画の船の搭載ミサイル弾数は16発で、排水量は目標の7000トンの半分ほど(4500トン)だという。
どのミサイルを搭載するか
白海の海域で極超音速ミサイル「ツィルコン」の発射
Ministry of Defence of the Russian Federation/TASS「カリブル」はロシア版「トマホーク」だ。つまり、ミサイル防衛システムにとって予測不可能な弾道で飛び、標的を攻撃する。今日、この種のミサイルは、武装勢力に対する最も有効かつ強力な兵器の一つとなっている。
射程は2600キロメートルだ。10~15年後には質的に全く新しい次元に達し、高精度照準システム(現行の「カリブル」の誤差は最大30メートル)を備え、核兵器に近い威力を持つ弾頭を搭載することになる。
つまり、キノコ雲も作らず土地の汚染も引き起こさない、高精度で扱いやすい兵器となる。
「ツィルコン」は、音速の8倍(秒速約2.5キロメートル)の極超音速で飛翔する世界初のミサイルで、射程は500キロメートルとされている。
また「ツィルコン」は対艦ミサイルで、「カリブル」とは異なり、敵艦の破壊が主要任務だ。
特筆すべきは、ロシアを除いて未だ世界のどの国も極超音速ミサイルを実戦配備していない点だ。そして現在、このミサイルに対する有効な防衛手段は存在しない。
からの記事と詳細 ( ツィルコン極超音速ミサイルを最初に搭載するのはどの船か - ロシアNOW )
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