
南アフリカで感染力が強いとされる新たな変異株「オミクロン」が確認されたというニュースは世界に衝撃をもたらし、アフリカ南部からの渡航を制限する国が相次いでいる。 日本のゲノム解析率は? これに対し、南アフリカ政府は「我が国の優れたゲノム解析技術がいち早く新変異株を検出したのに、それを罰せられているようなものだ」と反発。「優れた科学は罰せられるのではなく称賛されるべきだ」と声明を出した。 変異株を検出し、その情報を世界と共有した国に対して、このような渡航制限が課されれば、今後、自国で新たな変異株が見つかった際に、それを報告しない国が出てくるかもしれないというわけだ。 また、たしかにオミクロン株が最初に確認されたのは南アフリカだが、すでに他国や他地域で感染が広がっていて、そうしたなかで最初に検出できたのが南アフリカだったという可能性もある。 南アフリカのワクチン学者シャビル・マドヒは「アフリカ南部からの入国禁止措置でこの変異株の流行を抑えられると考えるのは甘い。すでにアフリカ南部への渡航歴がない人からも感染者が出ているのだ」と、中東メディア「アルジャジーラ」に語っている。 「HIVや結核治療の経験がある南アフリカは、新型コロナウイルスのゲノム解析で世界トップの能力を誇っている。私たちはトップを走ってきたのに、その成功の犠牲者となってしまった」
国別のゲノム解析率を見てみると…
しかし、そんな南アフリカでも新型コロナのゲノム解析率は1%未満にとどまっていると、米紙「ワシントン・ポスト」は報じている。 同紙は、世界のコロナウイルスの遺伝子情報を追跡している「GISAID」のデータをもとに、各国で感染確認数に対してどれだけの症例がゲノム解析に回されているか、その割合を算出して国別に順位をつけた。 それによると、南アフリカのゲノム解析率は0.8%にとどまり、世界37位となっている。この分析では、対象国をゲノム解析件数が累計5000件を超えている国に限ったが、アフリカでこの基準を満たしていた国は他になかった。 一方、ゲノム解析率が高い国はヨーロッパに多く、ワクチン接種率も高いという共通点がみられた。1位はデンマークの56.2%、2位はデンマークの46.6%で、3位オーストラリア(21.4%)、4位ルクセンブルク(20%)、5位ノルウェー(13%)と続く。 世界最多の感染者数を出しているアメリカは3.6%で世界20位。昨年12月時点の0.3%や、今年4月の1%に比べれば増加しているが、それでも科学者らはウイルスの変異スピードに追いついていくにはまだ足りないと指摘しているという。 4~5月に感染爆発が起きたインドは南アフリカより低く、0.2%だ。 そして気になる日本は、9.2%で9位にランク付けされている。 この2年にもおよぶパンデミックの終息には、変異株の出現を早い段階で見つけて感染を食い止めることが不可欠だろう。だが、世界各国のゲノム解析率はいまだ低いままにとどまっている。
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