食材を切るのはキッチンばさみ。小麦粉やパン粉をまぶすのは、調理中のフライパンの中……。「およね」という名前で、どんな料理も「時短」で仕上げるコツを動画で発信する米田瑞穂さん（36）。「自炊ハードルを地の果てまで下げにいく」という独特なキャッチコピーをつけて発信するオリジナルレシピは、SNSのフォロワーに「爆速レシピ」と名付けられた。そんなレシピが生まれた背景は――。
パックに入ったままのひき肉に調味料をまぶし、フライパンへ。シューマイの皮をのせ、火が通ったら、キッチンばさみで一口大に切って完成する「誰が何と言おうと焼売（シューマイ）」。
クッキングペーパーを敷いたフライパンで、肉や野菜を炒め、その後にご飯をいれて焼き付ける「フライパンビビンバ」。
手間のかかりそうなメニューも、作業時間は10分以内におさめ、まな板や包丁もほとんど使わない。作るのが簡単なだけではなく、洗い物も極限まで減らす工夫をこらしている。
オリジナルのメニューを公開するきっかけになったのは、2021年の秋のこと。毎日、朝から晩まで働き詰めだった夫が、突然仕事を辞めた。激務で心身ともに限界を超えた夫は、ある日、会社に行けなくなった。
それまで、7歳と4歳の子ど…
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