面倒な家事の時間を短縮したい。かさむ一方の食費を節約したい。そんな人には、ご飯やおかずの作り置きが便利です。特に取り入れてみたいのが「冷凍おにぎり」。実は、ご飯はおにぎりにして冷凍保存しておくと、ご飯のおいしさをキープできるうえ、時短や節約の効果が得られるといいます。簡単でおいしく作れる冷凍おにぎりのレシピを紹介します。
食事の後、余ったご飯を冷蔵庫に入れて保存しておく人は多いはずですが、「ご飯は『冷蔵』より『冷凍保存』の方が向いています」と話すのは、「冷凍王子」こと冷凍生活アドバイザーの西川剛史さんです。
西川さんによると、ご飯は時間がたつにつれて、おいしさが低下していきますが、低下の原因の一つに挙げられるのが、ご飯に含まれるでんぷんの老化です。米のでんぷんは、水分と一緒に加熱することで、軟らかくて甘みを感じやすく、消化にも良い「α(アルファ)でんぷん」に変化します。このでんぷんの最も老化しやすい温度が0~4℃。このため、ご飯を冷蔵室で保存すると、でんぷんの老化が進みやすくなるといいます。これに対して、ご飯を冷凍した場合には、ご飯の水分が凍結されることで、αでんぷんのまま保たれるため、再加熱すれば、おいしく食べられるそうです。
「一度にご飯を多めに炊き、おにぎりにして冷凍保存しておけば、炊飯時間を省くことができて、食べたい時にすぐ食べられるので、時短効果が得られます。また、おにぎりの具材をスーパーの特売日などに購入すれば、食費などの節約効果も期待できます」と西川さん。
ご飯をおにぎりにして冷凍保存する際のポイントは三つ。一つめは、炊きたてのご飯をラップで包むこと。「炊きたてを包むことで、ベストな水分状態と炊きたての香りを守ることができます。炊飯器で保温しているご飯や、冷蔵室に保存したご飯は、乾燥したり、αでんぷんの老化が進んだりしているため、その後に冷凍しても炊きたての味には戻りません」
二つめは、ラップで包んだご飯の粗熱が取れたら、冷凍用食品保存袋に入れて冷凍すること。保存袋に入れる際には、できるだけ空気を抜いてからジッパーを閉めることで、ご飯の乾燥を防ぎ、水分や風味、香りを逃さず保存できます。
三つめは、おにぎりの形は薄く、均等な四角の座布団形にすること。「同じ厚みで平らな座布団形にすることで、電子レンジで解凍する時にムラなく加熱できます。約7センチ角、厚さの目安は2センチ程度。冷凍用保存袋にぴったり四つ入り、冷凍室にコンパクトに収納できます」
冷凍保存したおにぎりは、食べたい時に電子レンジで加熱して解凍。「座布団形のおにぎりは、もっと厚みのある一般的な三角形のおにぎりや俵形のおにぎりに比べて、解凍時間が短くなります。座布団形にすることで表面積が広くなり、レンジの熱が通りやすくなるからです」。そう話すのは、時短料理研究家の若菜まりえさんです。
小学生と保育園児の子どもを持つワーキングマザーでもある若菜さんは、子どもたちが登校した後、空いた時間を見計らい、子どもたちのためにおにぎりをまとめて作って冷凍しておくそうです。「子どもが学校から帰ってきて塾に出かけるまでのわずかな間にも、冷凍おにぎりならさっと解凍して子どもに出すことができます。私も子どもも忙しい夕方のすきま時間に、子どものおなかを満たすことができるので、とても重宝しています」と若菜さん。
おにぎりは、まとめ買いした様々な食材を無駄なく具として使えるうえ、工夫次第で必要な栄養をしっかり取ることができます。また、まとめて作って冷凍保存しておくことで、生活の時間にゆとりが増えるといいます。「冷凍おにぎり作りを通じて、『時間』と『栄養』と『お金』をためる『冷凍貯金』に取り組んでみてはどうでしょうか。仕事や家事、育児で毎日忙しい女性には特におすすめです」と若菜さんは話しています。
若菜さんに、手軽に作れておいしく、栄養もしっかり取れる冷凍おにぎりのレシピを紹介してもらいました。
■オムライス風おにぎり
【材料(2個分)】
ご飯200グラム
鶏そぼろ(市販品)30グラム
いり卵 卵1個分
ピザ用チーズ10グラム
ケチャップ大さじ1
【作り方】
(1)ご飯に、鶏そぼろ、ピザ用チーズ、ケチャップを混ぜ、いり卵も加え、混ぜる。
(2)ボウルにご飯とその他全ての材料を入れる。
(3)しゃもじを使って全体をしっかり混ぜる。
(4)ラップを広げ、具を混ぜたご飯を半量のせ、四角く形を整える。
(5)ラップで四方からなるべくご飯をつぶさないようにぴったりと包み、約7センチ角、厚み約2センチの座布団形に整える。同じものをもう一つ作る。
(6)冷凍用保存袋に入れ、なるべく空気を抜いてジッパーを閉め、冷凍保存する。
◇解凍方法(加熱は一つずつ)
(7)ラップをはがして、耐熱皿に冷凍したおにぎりをのせる。
(8)ラップをゆったりとかぶせて、電子レンジ(500ワット)で1個につき、3分加熱する。
(9)温度ムラをなくし、手で持つことができる温度にするため、加熱後そのまま1~2分放置する。
(10)ラップで下部を包んで食べる。
※(2)~(10)は全てのレシピで共通。
「鶏そぼろを使ったチキンライスをイメージして考案したおにぎりです。鶏肉のほかに、チーズ、いり卵が入っていて、たんぱく質をしっかり取ることができます。おにぎりというと、和風のイメージが強いと思いますが、このおにぎりは洋風の味付けで、子どもたちにも大人気です」
■天かす青菜おにぎり
【材料(2個分)】
ご飯200グラム
天かす大さじ2
青菜ふりかけ(市販品)小さじ2
【作り方】
(1)ご飯に、天かす、青菜ふりかけを混ぜる。
(2)~(10)はオムライス風おにぎりと共通。(8)の加熱時間は約2分。お好みでのりを巻く。
「天かすの香ばしさに、青菜の塩気、うまみで、食が進むおにぎりです。調理の際には包丁などは不要で、ただ材料を混ぜるだけ。天かすに含まれる油によってボリューム感が得られるため、おなかがすいた時にピッタリです。天かすも青菜も値段が安く、日持ちがするので、食費の節約という観点からもおすすめ」
■しらす&チーズおにぎり
【材料(2個分)】
ご飯200グラム
しらす干し30グラム
ピザ用チーズ10グラム
小ネギ(小口切り)大さじ2
【作り方】
(1)ご飯に、しらす干し、ピザ用チーズ、小ネギを混ぜる。
(2)~(10)のオムライス風おにぎりと共通。(8)の加熱時間は約2分30秒。お好みでのりを巻く。
「しらすに含まれるイノシン酸、チーズに含まれるグルタミン酸という2つのうまみ成分の相乗効果に加えて、ネギの清涼感がアクセントになっています。カルシウムやたんぱく質が豊富で、栄養面にも配慮したおにぎりです。しらすの塩分量によっておにぎりの塩気が変わります。混ぜた後に味見して薄味に感じたら、塩を少々加えてください」(取材・読売新聞メディア局 田中昌義)
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