中国国内で、海から昇る太陽を最初に見ることができる場所というと、どこを思い浮かべるだろう?それは、「宝島」と呼ばれる台湾地区ではなく、美しい景色が広がる海南島でもなく、山東省威海市にある中国最東端の成山頭だ。大衆日報が報じた。
「天尽頭」とも呼ばれる成山頭は、威海市栄成市成山鎮に位置し、成山山脈の最東端に位置することからその名前がつけられた。成山頭は、黄海の南北の境目に位置し、韓国まで約94海里しか離れていない。膠東半島で海から昇る太陽を最初に見ることができる場所だ。そのため、昔から「太陽が昇る場所」、「中国の喜望峰」と呼ばれてきた。
成山頭は現在、4A級(5Aが最高)の景勝地に指定されており、2005年には雑誌「中国国家地理」が選ぶ「中国で最も美しい海岸ベスト8」の一つになった。そして、2011年には、中国国務院により、第一陣の国家級海洋公園に認定された。
美しい風景が広がるほか、成山頭には、始皇帝が訪れたという歴史もある。前漢(紀元前206-8年)の歴史家・司馬遷の著書「史記·秦始皇本紀」には、始皇帝が天下統一後、紀元前219年と210年に、2回にわたり成山頭を訪問したと記載されている。1回目は、始皇帝はたくさんの役人を引き連れて、成山頭に足を運び、地の果てにある海の景色を見て、感動のあまり息をのんだという。宰相の李斯が「天尽頭」の書を残し、石碑を立てた。
始皇帝は、紀元前210年に再び成山頭を訪れると、不老不死の薬を探そうとした。そして、方士の徐福の言葉を信じた始皇帝は、射撃の名手を集め、海辺の巨大な岩の上からサメを射させた。そこからその岩は「射鮫台」と呼ばれるようになった。
1874年、英国人は成山頭の東端に高さ16.3メートルの灯台を建設。約39キロ先まで光が届くこの灯台は今でも正常に稼働している。英国人は灯台の横に霧信号所も建設した。霧などで視界が悪い時には、2分おきに音で信号所の概位・方向を船舶に知らせ、その音は約30海里先まで届くのだという。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年4月30日
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