RENOFA YAMAGUCHI FC
レノファ山口FC
慶応大在学中で、昨シーズンから特別指定選手としてプレーしている橋本健人選手。来年度の正式な加入を前に、すでに大きな存在感を示しています。
プレーはファンタジスタそのもの。仕掛けるスピードや動作の美しさはもちろん、シュートモーションさえ魅了されるものがあります。プロサッカー選手としての端緒に立とうとしている段階ではありますが、橋本選手のプレーから学び取りたいものも多くあります。
RENOFA YAMAGUCHI FC
橋本選手は幼稚園の頃にボールを蹴るようになり、最初に憧れた選手は父が見せてくれたという元イタリア代表のロベルト・バッジョ元選手。言わずと知れたファンタジスタに惹かれ、さらにはレフティーの中村俊輔選手のプレーに惹き寄せられます。
「最初に父親が見せてくれたのがバッジョで、ファンタジスタという感じで憧れました。小学校で本格的にサッカーをやるようになると、中村俊輔さんが本当にかっこよくて、同じ左利きでしたし、憧れてキックを練習しようと思いました」
画面の中で繰り広げられるサッカーが憧憬ではなく、自分で引き寄せるべき夢へと変わったのは中学生時代。「中学生の頃に初めて海外遠征に行き、初めて見た試合がアーセナルの試合でした。ここで自分も試合をやりたいという夢を持ったチームです」とプレミアリーグ・アーセナルとの“出会い”が橋本選手に夢を授けました。「いつか、このチーム(アーセナル)でプレーしたい」――。
夢を近づけるため、中学生時代の橋本選手は自分のウィークポイントに向き合い、自分らしい戦い方を身につけようと努力を重ねます。
「中学生からサイドバックをやっていましたが、身体が今よりももっと小さかったので、ボールコントロールで手間取っているようでは無理を利かせようにも相手のほうが強い。いかに自分の絶対的な領域を作るか。確実にボールを捉えることにこだわってやるようにしました」
プロサッカー選手としての道が決まった今も、プレミアリーグをはじめとする海外サッカーを参考に、個人個人の細かなテクニックを学び取っています。
「サイドバックは置き場所が重要と言われますが、本当にボールを置くというところは命綱だと思っています。左サイドバックのティアニー選手(アーセナル)は、常に左足を振れるようなポジションを取ったり、自分がドリブルで縦に行けるようなところでボールを受けています。一人一人の止め方、走るコース。サイドの選手の動き方は参考にしています」
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学びが生きるのが前線での連係。
橋本選手はいわゆる「ハーフスペース」でボールを引き出し、自ら仕掛けることも多くありますが、アーリークロスを入れられるタイミングや前線の選手たちが背後を狙っている場合は、躊躇せずにボールを送り出します。
それらのパスを振り出すための要点はやはりポジショニングとファーストタッチ。橋本選手は繊細なタッチを磨きながらコンビネーションを高め、今は草野侑己選手との連係にも注力しています。
「FWの選手は顔が上がったときに走り出してくれますが、僕がいかにそこに蹴られる場所にボールを置くかが重要です。草野侑己くんが走るタイミングに正確に蹴る。それにはファーストタッチや正確なトラップが大切で、ちゃんとしたところに止めることさえできれば、蹴られると思っています」
夢の到達点はアーセナル。
ただ、レノファを単なる踏み台にするというつもりもありません。みらスタでのプレーは楽しく、レノファオレンジを誇りに、わくわくするプレーヤーでありたいと話します。
「いつも思いますが、あのスタジアム(みらスタ)はやっていて楽しい。なぜか分からないですが、アウェイ戦の3倍、4倍楽しくてノリノリになってしまいます」
RENOFA YAMAGUCHI FC
踊るように、波乗りをするように、変幻自在にみらスタのピッチを駆けるファンタジスタ。大きなプレーをする前の、小さな動きへのこだわりが、わくわくするプレーを生み出しています。
今節はホーム最終戦。
「来年、今よりも高い位置やJ1昇格を目指すために、そのきっかけになるようなゲームをしてきたい」と誓う橋本健人選手のノリノリなフットボールに期待が懸かります。
からの記事と詳細 ( 「ホーム最終戦 ピックアップ プレーヤー」 42.橋本健人:描き、貫く、未来へのロードマップ - スポーツナビ - スポーツナビ )
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