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Thursday, January 6, 2022

オミクロン株に次ぐ新たな変異株? 新型コロナウイルスの「IHU株」について米専門家らが解説|ハーパーズ バザー(Harper's BAZAAR)公式 - ハーパーズ バザー・オンライン

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新型コロナウイルスのオミクロン株やそれに伴う症状、感染の速さが世界中で取り沙汰されている中、注目を集めている新たな変異株がある。それはIHU株と呼ばれる変異株で、フランスで最初に検出されたものだ。

現在のところ、IHU株についての情報はあまりないが、WHOをはじめ公衆衛生の専門家たちは警戒を強めている。そこで、一部で話題となっているこの変異株について、現在までにわかっていることをまとめてみた。

IHU株とは?

IHU株は新型コロナウイルスの変異株で、2021年12月後半に発表された論文によると、昨年10月にフランス南部で検出されたものだという。

B.1.640.2とも呼ばれるIHU株については、11月初旬に変異株をまとめた共有データベースGisaidにもアップロードされている。以来、解析されたのはわずか20サンプルで、12月初旬は1サンプルだけだったと『New York Times』紙はレポート。

この変異株を遺伝子解析したところ、オリジナルの新型コロナウイルスから46の変異と26の欠失が見られた。なお、新型コロナが人の細胞にしがみつくために使う"スパイクたんぱく質"には、14のアミノ酸置換と9 つの欠失がある。

IHU株はどこで検出された?

現在のところIHU株の追跡情報はあまりないが、発表された論文によると、初めて検知されたのは直近でカメルーンに渡航歴のあるワクチン接種者だったという。その後、研究者は当該地域内で12例を検知している。

IHU株が懸念される理由は?

最大の懸念は、変異数が多いことだと話すのは、ニューヨーク州立大学バッファロー校
の感染病学教授で主任のトーマス・ルッソ博士。

「変異数が多いと、多くの人が神経質になります。免疫やワクチンに耐性があることを示しているかもしれないからです」

ちなみに、わずか数週間で世界中に拡散したオミクロン株は、変異数が約50とかなり多い。

また、変異によって「生物学的特性を変え、他の変異株より感染しやすくなっているかもしれない」という懸念もあるとルッソ博士は言う。

だが、誰もがIHU株を不安視しているわけではない。WHOの新型コロナ対応マネージャーのアブディ・マハムドは、火曜日の記者会見で、「IHU株の存在は認識しているが、最初に検知されてからあまり動きがない」と述べた。

とはいえ、「今後、勢いを増してくる可能性は大いにある」とつけ加えていた。

IHU株について最初の論文に携わった研究者たちでさえ、わずか12例をもとにこの変異株について憶測するのは"時期尚早"と述べている。

IHU株はオミクロン株より感染力が強い?

必ずしもそうとは言えないようだ。「IHU株はオミクロン株より前から存在するが、広まってはいない」と、感染病専門医家でジョンズ・ホプキンス大学センター・フォー・ヘルス・セキュリティの上席研究者、エイメッシュ・A・アダリャ博士は指摘する。

それとは対照的に、問題のオミクロン株はIHU株より後の11月9日に最初に検知され、11月24日にWHOへ報告されたのち、11月26日にはWHOが懸念される変異株に指定、その後一気に世界中に広まったのはご存知の通りだ。

アメリカ疾病管理予防センター(CDC)によると、現在、アメリカの新型コロナ感染者の95%はオミクロン株によるもので、世界中で記録的な感染者数を出している。

「新たな脅威となる変異株と定義するには、オミクロン株と同等以上の感染力を持つものでなくてはなりません。IHU株の感染ケースはあまり報告されていないことから考えて、IHU株は鎮圧されたように見えますね」とルッソ博士は話す。

IHU株から身を守るには?

ウイルスが変異するのは普通のことで、今後さらに新しいものが出てくるとアダリャ博士は強調。

「ほとんどの変異株は、大きな脅威にはなりません」

ルッソ博士も、一般人がIHU株を心配するにはまだ早すぎると同意。とはいえ、彼も変異株は今後も出続けるだろうと彼は言う。

「世界中にワクチン接種が行き渡るか、ある程度の免疫力がつくまで、新たな変異株が出現する可能性は現実にあるので、我々はそれらを注視する必要があります。オミクロン株がコロナ禍の最後の変異株となることを願いますが、そうはならないかもしれませんね」

ワクチンを接種し、対象者はブースター接種を受け、人前でのマスク着用やソーシャルディスタンス、手はこまめに消毒。こうした感染予防対策を引き続き行うことが、IHU株やオミクロン株、そして新たな変異株から身を守る方法だとルッソ博士は述べていた。

※この記事は、2022年1月6日現在、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。また、日本における新型コロナウイルスに関する最新情報については厚生労働省WHOのサイトをご確認ください。


Translation: Mitsuko Kanno From Prevention

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