【ニューヨーク=寺口亮一】国連総会は23日の本会議で、ウクライナ情勢を協議した。米欧や日本などからは、ウクライナ東部の親露派支配地域を独立国家として承認したロシアに対する非難や懸念の表明が相次いだ。ロシアは、承認の判断を正当化した上、ウクライナの主権侵害などと批判したアントニオ・グテレス事務総長にも反発した。
加盟国では、ウクライナのドミトロ・クレバ外相が最初に演説し、「ロシアが侵略をエスカレートさせる兆候がある」と危機感を表明した。さらに、「活発な外交と強い政治的メッセージ、強力な経済制裁などがあれば、まだロシアの侵略計画を断念させることができる」と訴えると、議場から大きな拍手が起こった。
米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド国連大使は演説で、「平和維持」を名目に軍部隊の派遣を計画するロシアを「侵略者」と断じ、「ウクライナだけでなく、全国連加盟国と国連憲章が脅かされている」と訴えた。
日本の石兼公博国連大使は、ロシアの一連の動きを「国際秩序への挑戦だ」として強く非難した。
一方、ロシアのワシリー・ネベンジャ国連大使は「(同地域での)ジェノサイド(集団殺害)に無関心のままではいられなかった」と主張した。ジェノサイドの証拠は示さなかった。
グテレス氏は前日に続き、この日の演説でもロシアを批判した。これについて、ネベンジャ氏は、批判する権限は国連事務総長にないなどと反論した。グテレス氏の仲介提案にも不快感を示した。
普段、国連でロシアとの協調が目立つ中国やシリアはこの日の演説で、同地域の国家承認には言及せず、支持は広がらなかった。
ウクライナのクレバ外相は演説後、記者団の取材に応じ、ロシアが国連安全保障理事会の常任理事国で、拒否権を持つことに触れ、「国連ができることは限られているが、戦争を防ぐため最大限の努力をしたい」と語った。
からの記事と詳細 ( 親露派「国家承認」のロシアに非難相次ぐ…国連総会、ロシアは承認判断を正当化 - 読売新聞オンライン )
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