日本学術会議が推薦した会員候補6人が任命されなかった問題をめぐり、理由を説明しないまま除外を決めた政府に抗議する動きが広がっている。「学問の自由」が侵されることへの危機感は強く、表現活動に関わる著名人からも批判の声があがっている。
「学問の自由への露骨な侵害だ」「菅義偉首相は説明責任を果たすべきだ」
6日夜、東京・永田町の首相官邸前には市民や大学教授ら約700人(主催者発表)が集まり、政府への抗議の声をあげた。
市民団体の主催で、政府から任命されなかった6人の1人、東京慈恵会医科大の小沢隆一教授(憲法学)も参加し、「日本の学術と国民全体の問題。学術会議の独立性、そして国民主権に基づく選定権を決して政府に渡してはならない」と訴えた。SNSで抗議活動を知って参加したという人も多く、東京都目黒区の沢井正代さん(71)は「自由に探究する権利を子どもたちの世代に残すためにも声をあげなければと思った」と話した。
法学者らでつくる「立憲デモクラシーの会」のメンバー5人も同日、都内で記者会見し、「現政権が学問の自由を掘りくずそうとしているのではないかとの強い懸念を与える」と批判する声明を発表した。長谷部恭男・早大教授(憲法)は「極めて例外的なケースしか任命拒否はできないというのが法律の趣旨だが、合理的説明がない」と指摘。石川健治・東大教授(同)も「学問の自由の核心は専門分野の自律性を守ること。その防波堤である日本学術会議に対して人事介入が行われた」と批判した。
声明は、日本学術会議法の規定…
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